追っかけの閑話休題

 ☆「森の休日社」編集部が追っかけの合間に思ったこと

 最初からこういうことをする予定は全然なく、
ずっと幾つかのユニットのライブをただ追っかけていました。
(楽しかったですね)

 その中で印象に残ったとについて書きます。

・打ち上げ

・リクエストは某ヤキトリ屋なのか

・ライブの目福

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打ち上げ

 もし出来るなら「打ち上げ」ある場合は行くと楽しいことも多いようです。

 出演者にとって舞台の上は、アーティストとしての表現の場であると同時に
プロですので職場です。すごくオフィシャルな場所。

 そして打ち上げの場は仮に舞台が「職場」なら、打ち上げは「宴会シーン」ですね。

 場所を変えて行われるか、演奏後その場で引き続き行われるかは
会場次第。また、諸事情で全然ない場合も結構あります。

 打ち上げのいいところは、

@いい演奏を聴いたあとに、ごはんも食べれてお酒も飲める。
明日の元気の素。
その時お店が通常営業のメニューをしない、打ち上げ用メニューの場合でも、
もしお店が気に入ったら後で通える。新しいお店を開拓できる機会ですね。

A必ずとは限らないし、場所のキャパやメンツにもよるのですが
上手く条件がかみ合うと、楽器持ってる人同士でセッションが始まる。
ライブとまた少し趣の違う演奏が聴けるチャンス。
(これがオイシイって、必ず打ち上げ出る知人もおりました)

B次のライブやコンサートの予定や、次のCDのプラン等
まだ未公表の新しい情報が耳にはいることもある。
 またここで演奏家の方と雑談するうちに、楽器を習いたくなって
教室に通われる場合も結構あるようです。

C通常何か音楽について質問したいことが出てきたら
(ライブ通ってるとそのうち音楽で聞きたいことが、どうしても出てくるので)、
会場で演奏後に質問するか、アンケートやメール等で聞くことが出来ます。
  特に打ち上げの場合は、会場より気楽な雰囲気なので引っ込みじあんな人でも
質問しやすいし、出演者サイドもまた話しやすいと思います。場合によりますが。


リクエストは某ヤキトリ屋なのか

 私の住む街の、
中心地から続く10丁にも及ぶ長い古い小路の端のはずれに有名な焼き鳥屋さんがあります。
 はっきり言って場末の、今にもつぶれそうな木造の店「某百番」。

 そこは今は富良野在住の大御所・某倉本聡氏が常連だったお店です。
 北海道の文筆業・広告業界等のお客さんが多いので、一部に知られた場所でもあります。
 私も一度だけ、そういう方達の一人に連れて行って頂いたことがありました。
 もう7年位前のことです。

 お店に入ってカウンター席に座ってすぐ、飲み物とお通しの小鉢が出てきました。
 で、連れて行って下さった方と話しながら次のシーンを私は内心待っていました。
お店の人がオーダを取りに来てくれる普通のシーンを。
お腹すいてたしぃ、有名な店らしいので焼き鳥期待してたしぃ。
 
 でも、気のせいか一向にトリを焼く気配がない。
 炭焼きコンロに火が入ってないことに気づいたのはしばらくしてからでした。
 
 連れの方が私にごちそうして下さるという有り難い日でしたので、
私は自分からお店の人に聞いてみることも出来ずに、いじいじしていました。

 相手の人は重度のアルコール常飲者なので
そもそも食べ物は要らない方なのです。
 ちなみにそのお店のお客さんは、そういう人がほとんどだそう。
 (四方からアル中(?)たちが集まってくる店なのか.....。)

 で、よく覚えていないのですがその後連れの方が
何か「魚のようなもの」を私のために注文してくれて、それを食べて、
最後に自家製の漬物が出てきてお開きだったと思います。

 もうずっと長い年月常連の私の連れの方が言うには、

 この店は焼き鳥屋ながらも「トリがないことが結構ある」そう。
 メニューにあるものが、全部あるとは限らない店だそう。
 店に集まった常連客たちは、ないのが分かってても
必ず口々に「あれが食べたい」「これが食べたい」と言うらしいのですが、
愛想だけはとてもいいおカミさんは、にこにこ笑って「今日はないんです」と平気で言うそう。

 もしかして常連さんたちがツケをためているからなのか、
 それとも、そういう会話を楽しむお店なのでしょうか。
 でもたまにお目にかかれる自家製漬物等が、とても美味しいかったりはするそうです。
その夜、運良く漬物食べた私も、そう思いました。すごウマ。

 なぜその店が某倉本聡氏を始めとして、そういう人たちに根強い人気があるのか
ぜんぜん分かりませんが、

 この店は何かこう他人に期待しなくなった、大人の男たちを安らがせるのかもしれないと
その時は、思いましたね。

(本当の所、極意は今でもぜんぜん分かりません)

  そしてこの感じって、ライブの追っかけをしばらくした後に
私が「リクエスト」について思ったことと感じが似ていたのです。(はは)

 同じ演奏者のライブに通ううちに誰でも大なり小なり出来心というか、
やはり「リクエスト心」がわいてきます。
 あの曲聴きた〜い、から始まって「ステージ」についていろいろな。

 でも大きなホテルのレストランやバーによくある、食事のBGMとして
入っている「生演奏」(チップ払ったりしてるし)でない限りは、
通常のライブであらかじめ用意されているミュージシャンの演目プログラムを
壊してしまでリクエストする人はいません。
 用意された曲目はその時そのユニットいとっていろいろな意味で旬の曲ばかりだからだと思う。
 (客席としても、おいしいのだけ聴きたいしぃ。)
 
(まれに演奏サイドから「何かリクエストは?」と声が出る場合もありますが、
会場との決められた終演時間があるのでめったにないし、ほとんど無理なことだと思います)

 では、演奏者側の方は客席に全然興味がないでしょうか?
 そんなことはないのです。
 演奏者には彼らのペースがありますが、ただ自分たちに対しての客席の率直な声を
集めている場合も多いです。

 よく客席でアンケートを配っていますが、あれがその役目をしていますね。
 全部のユニットがしている訳でなく、会場等の事情が許さなかったり
ある程度自分たちの音楽イメージが確立して、しばらくそれを追及したい時期は
アンケート配らない場合もある気がします。
 だから同じユニットでも最初配って、中止して、また再開する場合があります。

 で、アンケート等でライブに持つ自分のリクエストについての期待感って
あの昔一度行っただけの焼き鳥屋さんに少しだけ感じが似てるなぁ、と思った。

 上手く言えないのですが、
「あれ聴きたい」「これ聴きたい」って、一応客席サイドも好きなこと言うことは言うのですが、
演奏者サイドには、それに振り回されてほしくないと思う。

 ヤキトリや自家製の漬物がたまに出てくると嬉しいっていう、
あの位の距離感が心地良いのかなぁ、とも思う。
(私は飲まないので、食べ物屋さんとしてはあの店は行かないですが)

 やはり舞台って、客席は知識ないから演奏者側でその時ベストの演目や演奏の仕方を決めて
聴かせてもらいたい、という感じ。
 だけど、芸術ってやはり「人にみせることを前提としている」ものでもあるから、
他人の評価は全然どうでもいい、っていうタイプの活動しかしない人たちのも、
意外と客席にとって面白味がないですよね。

 だから一応「あれ聴きたい」「これ聴きたい」と間接的に言わせてくれる位の気楽な雰囲気が
ある方が好きですね。
(アンケートがあってもなくても)
 でも、それに関わらずその時のベストであると思う演目や演奏の仕方を決めてくれる感じが
好きですね。
 たまたまリクエストと方向が一致してたら結果としてリクエスト通りになるし、
方向が違ったらならない、という。

 編集部は演奏家の方々と、一般客席以上に近づいたことがないのですので
こういうこと良くは分からないのですが.......。(はは)

まあ、分からないことをいろいろ考えてみるのも、
ライブ通いの楽しみの一つではあるのでしょうね。

はは.....自分でも訳分からないこと書いてスミマセン。


ライブの目福

 私は個人的に舞台芸術の中で、出演者の外見が一番好きなのが
音楽系の人種です。

 舞踊や演劇は、完全に外見もアートの中に組み入れられる。
つまり顔や服装を含めた外見を、彼らは完全にツクらなければならないのですね。
 それらは最高に難しいし、素晴らしいものだし、
本当に観るに値すると思う。

 ただ、私は「人間の外見」としてはツクらない方が好みなのですね。
 自然な感じの良さが、私にとっても見てて快適だから。
 音楽は舞台では比較的、大してツクらなくてもいい方の分野だと思う。

 で、舞台の上で音楽をする人たちは、舞台に立っている間最高に魅力的だと思う。
(オフでも皆さんとても素晴らしいですが)

 音楽は舞踊や演劇のようには、外見の基準が厳しくない。
だから別に美形かどうかとか、そういうことは別に関係ないです。
(テレビのアイドル系の人はすごく厳しいらしいですが)

 でも舞台の上でその日の演奏・音楽が佳境にさしかかる頃、
演奏者の皆さんから何とも言えないオーラというか、良い雰囲気、したたり落ちる何かがあって
私はとても目福だと思います。

 また服装も演奏する音楽や本人のキャラクターに合ったものであれば、
これも他に比べて音楽は、さほどは要求されないと思う。

 ただプロはそれなりに皆さん気を使われておられるし、
 さほどお金をかけられなくても、とてもセンスの良い人が多いですね。
それも結構楽しみ。

 あとよく言われるように、人間誰でも一番好きな仕事をしている時が一番
魅力的ですよね。
 たまたま舞台芸術の人たちは、その「職場」が人から見える舞台の上だからと
いうこともあると思います。

 あとは人に見られる仕事の人って、舞台アートの人たちに限らず
人目で磨かれるといいますよね。
 初出演から続けて観る機会があると、本当に出演者の方々は独特の魅力が出てくる感じ。
 カタギの仕事では、スチワーデスがその代表だと思う。






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