一番のアコースティックものは、人間の声?

「ひとの声」と「楽器」の表現力の話

最高のアコースティックなものは、人間の声ですね。
楽器の良さと歌の良さは、それぞれで比較するようなことでは
ないのですが。

一般に上手い歌は、楽器の音色の光彩を落としがちなので、
当然、歌が必要な音楽でないと、入らないし、それぞれの良さがありますので、
一つのライブの中で取り混ぜて演奏されますし、楽器メインの所は歌はほとんど入らない。

「人間の声の表現力には、楽器はかなわない」と
私の一番好きなインド古典音楽の、シタール奏者の井上憲司氏が前に何かに書いていたことを、
思い出しました。本当に、人間の声は最高の表現力を持っている。
一番表現力のあるアコースティックものは、人の声。

でも歌に目のない、歌のCDばかり聴いている私が、声を出せない、
機械であまり増幅できない、制限のあるアコースティック楽器ライブに
ハマったのは、楽器にしかない良さがあるからです。
(誰しもそう思うように)

「人間の声の表現力には、楽器はかなわない」と言って、
それ以上井上さんは何も言いませんでしたが

(彼は一曲だけ歌もの有。やはりその曲人気あったので、
 歌手よりシタールがメインの彼は悔しかったのでしょか?私には分かりません。
この言葉の真意は。ただその後彼のCDに歌はなかったです)、

 この言葉を言ったのはたまたま井上さんですが、誰によらず楽器メインの方にとって、
みなさん同じようなことを、考えるときがあるのだと思いました。

人の声に比べると、一般に表現力が劣るはずの楽器の制限、
つい立ひとつ置いたようなもどかしさを、楽器はむしろ歌にない味わいに
変えてくれるので、誰しも両方を楽しめます。

…….と言う訳で、歌を聴くのは大好きですが、
アコースティック楽器の微妙さに、
私はますますハマり続けるのでありました。




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